2021.4.15記
<グローバル製造業PMIとS&P500には強い相関性がある>
<景気には3年サイクルがある>
このことを利用してポートフォリオの入替えを行う戦略
【グローバル製造業PMIのリアルタイムチャート】
グローバル製造業PMI(チャート・指数) (株式マーケットデータ)
【グローバル製造業PMIのレポート元】
・グローバル製造業PMI(<JPMorgan Global Manufacturing PMI>でページ内検索)
■【PMI投資法】3年サイクルのグローバル製造業PMIを使ったポートフォリオ戦略
◆重要◆
通常、過去の米国の景気後退は、
①失業率が低下し、②インフレ懸念が強まり、③利上げが十分進んだ後
に起きている。
【PMIの3年サイクルが上昇時】(製造業PMIが上昇傾向だった局面)
日本・新興国株などを選好。
①債券よりも株式、②株式の中でも景気に敏感な日本やアジア、新興国の株式、③債券の中では信用力が低い債券を選好。


【PMIの3年サイクルがピークアウト時】(製造業PMIが50以上だが低下した局面)
インカム系資産や米国株にシフト。
①株式よりもインカム系資産、②株式の中であれば、相対的に安定感のある米国株式などを選好。


【PMIの3年サイクルが下降時】(製造業PMIが50未満で低下傾向かつ景気後退入りした局面)
インカム系資産の米国投資適格社債や米国債券にシフト。
①株式よりもインカム系資産、②インカム系資産の中であれば、米国投資適格社債や米国債券などを選好。

【PMIの3年サイクルが下降時】(製造業PMIが50未満で低下傾向も景気は回復した局面)
株式や米国ハイ・イールド債にシフト。

■ポートフォリオの参考(ウエルスナビのリスク許容度)

■「高値掴み」のリスク vs. 「押し目待ちに押し目無し」のリスク

上記では、景気の3年サイクルに基づく資産配分をご紹介したが。“機動的な投資”ができない場合は、より長期目線で、景気の10年サイクルに注目する、などの代替案が考えらる。
景気拡大期における加速期と減速期まで考慮する「3年サイクル」ではなく、景気拡大期と後退期で分類する「10年サイクル」に注目し、景気後退までは、株式の比率を相対的に高めにした資産配分を維持することも一案。
ここで、上図参照。これは、米国株式と世界株式の推移で、【網掛け部分】の米国の景気後退前後を除けば、基本的に上昇基調を維持している。確かに、景気拡大期でも、景気減速期(3年サイクルの下降期)は、一時的に株高基調が止まったり株価が調整したりすることはあるものの、大幅下落にはなっていない。
◆通常、過去の米国の景気後退は、
①失業率が低下し、②インフレ懸念が強まり、③利上げが十分進んだ後
に起きている。
【補足】「高値掴み」のリスク vs. 「押し目待ちに押し目無し」のリスク
これまで株価が急上昇した結果、株式に強気であっても、高値掴みのリスクが気になるため、「それなりに大きく下がったところで買いたい」と考える投資家の方は多いでだろう。しかし、例えば過去に米国株式と世界株式が月間で5%以上下がったところ、上図を見てもわかる通り、「それなりに大きく下がる局面」は、景気後退前後を除けばそう頻繁に訪れていない。裏を返せば、景気拡大期(特に景気加速期)は、「押し目」を待っているうちに、機会損失が膨らむリスクにも注意が必要。「高値掴み」のリスクが気になる場合には、例えば積立投資を活用することで、「押し目無し」のリスクに配慮することができる。
【参考:新規受注指数、完成品在庫指数】

【参考:財政収支、米国10円国債利回り】

【補足】
なぜグローバル製造業PMIとS&P500は相関性があるのか?
それは世界株式は半導体関連の需給によって上下しているからで、株価指数の中でも特にS&P500は米国株の時価総額の80%を占めることと、グローバル企業が多いことから半導体関連の需給の影響が素直に表れるである。
★★★★SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)とS&P500の相関を調査
↑のページの調査にもあるとおり、世界の株価指数は半導体関連30社で構成されているSOX指数に連動している。つまり半導体関連会社の業績が上下することで世界の株価指数は上下していることになる。

相関を調べたるサイト>>>投資の森 TradingView