まずは、株式投資するにあたり重要な前提
【1】リセッション時の大底で大きく買うようにする。
ただし基本的にレバレッジ(借金)取引およびショート取引は避け現物のみとする。
<買いは家まで売りは命まで><相場の器用貧乏>
リセッションの時期を金利と経済指標などから読み取り、近いと思ったら株は全て売却し現金ポジションを90~100%まで増やす。金利の逆イールドやGDPの伸び率、バフェット指数なども含めトータルで判断する。
【2】景気循環の終盤を見極めて大底で大きく買うようにする。
景気は約6~12年に一度リセッションするため、まずは景気が今どの位置にいるかを常に把握しておく必要がある。
景気のサイクルは2.5年間の在庫、5年間の金融政策、10年間の信用サイクルで循環しており、この3つが重なったら最後の信用不安が起きて株も不動産も一気に暴落しデフォルトになる。
<漁師は潮を見る><株を買うより時を買え><麦ワラ帽は冬買え>
ただし相場から離れると経済情勢に鈍感になるのでリセッションが近いと判断しても株式購入の予定金額の10%くらいなら相場観を養う目的で注意しながら購入するのは有りだろう。たとえば各種の東証ETFを購入する。個別材料株を買うなど。
東証銘柄以外の慣れない投資先や海外証券、資源商品取引に手を出さなくても最近は手軽に東証ETFで取引できるのでそこを利用すべきだろう。ましてやこれだけ多くの銘柄あって勝てない者は他でやっても結果は想像のとおり。
<遠くのものは避けよ>
参考までに↓にVIX指数、原油、金、米国株、上海株、Jリート、インド株、国内債券、ロシア株、韓国株ブルとベア……など、使えそうな銘柄の一部を一覧にしてみた。
ETF購入時の参考サイト >>> ETF株マップ.COM

↓は2020年2月初旬の武漢蔓延の時点で充分予測できたケースで↑にある銘柄

ETFだけの投資でも先読みさえできれば現物取引で大きく利益を出すことも可能。
1、大暴落時の底の見極めは、日経平均株価のPBR(加重平均)が0.8倍になった付近である!(過去最低はPBR0.81倍)
2、株に投資する場合には3~10回に分散して資金投入し、投入時期も分散する!
3、<加重平均PBR>と<指数ベースPBR>の大きな違い!<指数ベースPBR>の方が実態に近い!なので、<指数ベースPBR>の過去最低PBR0.87倍も合せて底を見極める!
1、大暴落時の底の見極めは、日経平均株価のPBR(加重平均)が0.8倍になった付近(0.75~0.85)である!
■なぜ日経平均の底値を知るにはPBR(加重平均)(株価純資産倍率)基準で確認するのか!■
PER(株価収益率)基準ではダメなのか?
PERは企業の利益に基づいて計算されるため、暴落後は業績悪化などで下方修正することが多い。このため日数経過後に大きくPERが上がって割高になってしまうことになる。(下記グラフ①参照)
たとえば、暴落時にPER12倍で安いと思って買いポジションをとったとしても、暴落が起こった数日後に企業が下方修正すれば計算式の分母に利益がくるため、PERは12倍から14倍まで上がってしまうことになる。
一方で、PBRは会社の資産を基準に計算しているため、大きく下方修正されることがほとんどない。つまり基準にするには最もふさわしいといえる。
PBR(加重平均)が1.0倍を割るということは会社の解散価値を下まわることなので、日経225銘柄のような優良企業の場合には1.0を割れることはめったにない。
ところが、6~12年のリセッション含む暴落時にはPBR0.8倍(加重平均)まで下がることがある。下記グラフ②は日経平均株価とPBR(加重平均)をグラフ化したものだが、リーマンショック時の大底はPBR(加重平均)は0.81倍で過去最低だった。
↓のグラフは日経平均株価とPER(加重平均)をグラフ化したものだが、リーマンショック後に業績の下方修正がありPERに対して日経平均株価が大きく割高になっているのがわかる。紫色の線がPER17倍だがそれよりはるかに高い位置に日経平均株価の黒色の線があることが一目でわかる。

このグラフは<精神科医による辛口投資論>より抜粋)
↓のグラフは日経平均株価とPBR(加重平均)(株価純資産倍率)をグラフ化したものだがリーマンショック時でもPBR(加重平均)は大きく下がっていないことがわかる。これは株主資本の内訳が利益と違って大きく変動しない資産だからである。図①のバランスシートの株主資本をみるとわかりやすい。

| 日付 | 日経平均 | PBR | BPS | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2008年09月12日(金) | 12,214.76 | 1.40 | 8724.83 | リーマン倒産前日 |
| 2008年09月16日(火) | 11.,609.72 | 1.32 | 8795.24 | リーマン倒産翌日 |
| 2008年10月10日(金) | 8276.43 | 0.98 | 8445.34 | PBR1割れ開始日 |
| 2009年03月10日(火) | 7054.98 | 0.81 | 8709.85 | 日経平均最安日 |
| 2012年11月16日(金) | 9024.16 | 0.95 | 9499.12 | 民主衆院解散日 |
| 2012年12月11日(火) | 9525.32 | 0.99 | 9621.54 | PBR1割れ最終日 |
| 2016年02月12日(金) | 14952.61 | 0.99 | 15103.65 | アベノミクス後初のPBR1割れ |
| 2020年02月06日(水) | 23873.59 | 1.17 | 20404.78. | コロナショック前。この後ジワジワ広がる |
| 2020年03月06日(水) | 20749.75 | 0.99 | 20959.34 | WTI原油1日で30%の暴落(46→32ドル) |
| 2020年03月12日(木) | 19416.06 | 0.93 | 20877.48 | WHOが新型コロナをパンデミック認定 |
| 2020年03月16日(月) | 17002.04 | 0.82 | 20734.19 | 日経平均安値更新 |
【参考】
■PER(株価収益率)=時価総額※÷純利益
(=株価÷1株あたりの利益〈EPS〉)
※時価総額とは、“株価×発行済み株式数”を指す。会社丸ごとの値段を表す。
■PBR(株価純資産倍率)=株価÷1株あたりの株主資本(BPS)
BPS(円)=株主資本※÷発行済み株式数
日産自動車の平成28年3月期の純資産の内訳(図①)

2、株に投資する場合には3~10回に分散して資金投入し、投入時期も分散する!
暴落時に購入するために見る指標はたったの2つ!
①日経平均のPBR(加重平均)(株価純資産倍率)が1.0倍を割ったとき。ただしリセッションと思われる場合にはPBR0.8倍付近が買いのスタートとなる。
PBR(加重平均)の参考サイト >>> 投資の森
PBR(加重平均)の参考サイト >>> nikkei225jp.com
②VIX指数が25を下まわったとき(つまり恐怖がおさまりつつあるとき)
VIX指数の参考サイト >>> nikkei225jp.com
※↓のグラフは5分割投資の投入イメージ。実際の日経平均株価は各投入地点では五分五分(短期)の確率で上か下のどちらかに動く。なので地点ごとに両方の予想をたてて判断する必要がある。ただしPBR0.8倍付近で購入すれば長期的にみればほぼ確実に利益がだせるといえるだろう。
↓のグラフはイメージであり実際には各地点ごとに五分五分の確率で上下動する。
(グラフ③)

長期的にみれば世界の株価は右肩上がりになるため、日経平均PBR1.0倍割れ(企業の解散価値割れ)は絶好の買いタイミングであることがわかる!
ここで疑問がおこる → なぜ株価は長期で見ると右肩上がりになるのか?
3つの理由で説明しよう
①世界人口は現在の77億人から2050年の97億人へと、今後30年で20億人の増加となる見込み。
現在も世界の人口が増え続けていてその多くの人は生活水準を上げようと努力し、快適な生活を求めるため。
②給与の伸びよりも資産(株・不動産など)の伸びのほうが大きいことから世界の株価指数は右肩上がりとなる。
この説明をするとき、多くの識者が「r > g」というトマ・ピケティの式を持ち出す。これはベストセラー『21世紀の資本』で語られたもので、r = 資本の利益率が、g = 経済成長率を上回っているという事実があるため。
③日経225銘柄は年一回の銘柄入れ替えを行って選ばれた日本を代表する優良企業225社の集まりである。
その企業合計の解散価値割れは異常な状態であり、経済が正常に戻れば(VIX指数が正常)PBRも元のPBR1.0倍以上に戻るため。

注意点!
正確にはPBRには<加重平均PBR>と<指数ベースPBR>の2種類ある。
日経225採用銘柄の銘柄比率に大きな差があるため、暴落時に寄与度の高い銘柄が含まれる場合には純資産を持ち出す可能性大。そのため現在起きている暴落で寄与度の高い銘柄が影響を受ける場合には<加重平均PBR>か<指数ベースPBR>のどちらを使うかは慎重に検討すべきである。
■日経新聞社が発表し一般的に使われているPBRは<225銘柄全体をひとつの会社と仮定>して計算している
PBR(加重平均) = 225銘柄の時価総額(株価×株式数) ÷ 225銘柄の純資産(1株当たり純資産×株式数)
■個別銘柄で四季報などで一般的に使われているPBRで計算すると
PBR(指数ベース) = 日経平均株価 ÷ 日経平均BPS(1株当たり純資産)
しかし、ここで暴落時には純資産からキャッシュが引き出される現象が起こる。このことでPBRを求めるときの分母であるBPSが低下するため、PBRが大きくなってう。(楽天証券トウシルより抜粋)
このことでPBR 0.8倍で横ばいになったとしても日経平均は下げ続ける現象が起こる。
リーマンショック時にはさほど気にならなかったが、コロナショックではPBR 0.8倍を下まわったと思って買ったつもりが、BPSが日々下がっているたことに気づいた。PBRは横ばいなのに日経平均は下がる結果となっていた。
そこで、本来は一般的に使われている加重平均PBRを使った説明でこのページを終える予定だったが<加重平均PBR>と<指数ベースPBR>の2種類で違いが出ることを知ったため、下記に<指数ベースPBR>で底値を予想する方法を記すことにした。
(記:2020/3/21)
3、<加重平均PBR>と<指数ベースPBR>の大きな違い!<指数ベースPBR>の方が実態に近い!なので、<指数ベースPBR>の過去最低PBR0.87倍も合せて底を見極める!
↓↓↓(楽天証券トウシルより抜粋)↓↓↓


(↓2020/03/21記載)
このことから底値を見極める基準(物差し)に使うのであれば、同じ算出方法でしなければならない。
なので以下には指数ベースのPBRで作ったグラフと表を用いても説明することとした。
グラフ④が<加重平均>を用いたグラフで、グラフ⑤が<指数ベース>を用いて作ったグラフ。
グラフ④の<加重平均>のグラフ → PBRが0.8倍付近に達している。
しかし、
グラフ⑤の<指数ベース>のグラフ → なんと!PBRがまだ1.22倍の位置にある!
つまり、<指数ベース>PBRを基準にして日経平均株価の下値を計測しなければならない。
■PBR(指数ベース)を使った下値予想の計算方法■
過去最低PBR(指数ベース)はリーマン時の0.87倍
↓
なので、今回のコロナショックもこの0.87倍まで下がると予想して計算する
↓
2020/3/19時点のBPS(指数ベース)=13567円
ゆえに、0.87倍 ✕ 13567円 = 11803円 が下値と予想できる

(グラフ④)
日経平均株価・PBR(加重平均)・PBR(加重平均)をグラフ化 (2006年1月4日~2020年3月19日)

(グラフ⑤)
日経平均株価・PBR(指数ベース)・PBR(指数ベース)をグラフ化 (2006年1月4日~2020年3月19日)

グラフ作成はKIC代表@NOBU
データ引用サイト
日経平均株価 >>> http://stock-databox.net/data.html#n225
PBR(BPSは関数で計算) >>> https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/data?list=pbr
EXCELファイルのダウンロード(グラフ④と⑤含むファイル) >>> 日経平均とPBR、BPSの関係
◆2021年12月28日更新:↑のグラフ(2020年3月19日)のその後を検証してみた!
2021.12.28時点では<加重平均>のほうが大底を的確に当てていることになる。
<指数ベース>を使うとリーマンショック以降は買うチャンスがなかったことになるので使うべきではないと結論づけた。
ではなぜこうなるのか? → 単純ではあるが、世の投資家は<指数ベース>のPBR0.8倍を基準に大底を判断しているからだろう。
PBRは一般的に使われる<加重平均>と<指数ベース>の2種類があるが、過去の暴落を見る限り<加重平均PBR>で底値圏を判断するのが正解となる。
下記の表およびグラフから<加重平均PBR>が0.8~0.9倍は大底であったことが分かる!!


リアルタイムのBPS(1株当り純資産)とPBR(株価純資産倍率)
https://nikkei225jp.com/data/per.php
<加重平均PBR>のとき2008年リーマンショック後の安値、2020年コロナショック時の安値、ともに大暴落時の底値はPBR0.8~0.9間であったことがわかる!!

<指数ベースPBR>のとき2020年2月のコロナショック時にPBR(指数ベース)を下まわってないため、大底で買うことができなかったことになる。

提供:@NOBU
参考リンク
経済新聞社 >>> 日経平均株価の株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)はどう計算していますか
経済新聞社インデックス事業室 >>> 日経平均株価のPBR、<加重平均PBR>と<指数ベースPBR>
楽天証券トウシル >>> 日経平均のPER約14倍、PBR1.09倍は実態とは異なる?正しい投資判断のために知っておきたいこと
楽天証券トウシル(2020/3/23) >>> 株価底入れの兆し?NYダウ急落でも日経平均先物が反発。中国株は堅調。原因を分液
ETF購入時の参考サイト >>> ETF株マップ.COM