(5)PERを分りやすく解説。PER10倍は成長率0%の会社。PER27倍は成長率15%の会社。


★★高PERは株価が割高、低PERは株価が割安は → 間違い!★★
正しくは企業の成長率を考慮する!


■ 1株当り純利益(EPS)とは<その年に会社が稼いできた利益のうち1株持っている株主の部分>

この1株当り純利益(EPS)を年々積み重ねていくことで、投資した金額を回収していくことになる。(10年で計算する)

これをPER(株価÷EPS)で言い換えると、PER 10 倍とは<利益が今のまま10年経過すれば投資した金額を全額回収できる>という意味になる。

もっと分り易くいうと、今の株価が1000円、EPSが100円、成長率が0%のとき(PER10倍)会社の株を全て買ったとする。このとき毎年100円の利益を得るため10年で全額回収できることになる。

※正確には金利や貨幣価値の下落なども考慮するため<割引回収期間法>を用いて計算する。その場合の回収期間は15年となる。しかし先のことはブレるし10年で考えたほうが理解しやすい。 

■実際に四季報から成長率0%(本業の稼ぎの営業利益)の会社を選んで説明すると、
極洋の株価は3000円、一株益は300円、成長率0%のときPERは10倍に収まっているのが分かる。
この意味は上記の説明にあるとおり、一株3000円で株を購入した場合、毎年一株当り300円の収入があるため10年で投資資金を回収できることを意味している。

■ここで確認(参考)
積立あり、と積立なし、の違い
年に1回1万円づつの積立を10年間、年率15%複利運用した場合→15.94万円
積立なしの例(参考) → 1万円を10年間、年率15%複利運用した場合→4.05万円

年に1回1万円づつの積立を10年間、年率0%複利運用した場合→10万円
積立なしの例(参考) → 1万円を10年間、年率0%複利運用した場合→1万円



■成長率0%の会社の<適正株価>を計算する
株式投資の資金回収機関は10年なので、
例として、
今の株価が1000円、成長率が0%、EPSが100円のとき(PER10倍)一株買ったとする。
このとき下記の式のように毎年100円の利益を得るため10年間で全額の1000円を回収できることになる。
100円(EPS)×10年=1000円


※ゆえに、<成長率>と<一株益(EPS)>が分かれば<適正株価>が計算でき、<適正株価>がわかれば、PER = <株価> ÷ <一株益> から、
<適正PER>は計算できることになる。以下にその計算を実際にしてみた。

◆成長率15%の会社の<適正株価>を計算する
今の株価が1000円、成長率が15%、EPSが100円のとき(PER10倍)一株買ったとする。今の適正株価はいくらになっているか?(10年後の想定価値を求める)

このとき下記の式のように毎年100円を元にした積立が始まり、複利利益と成長率利益を得ながら10年後には2690円を回収できることになる。
ゆえに、今の<適正株価>は2690円となる。

また、PERは、PER = <株価> ÷ <一株益> なので
<適正PER>=株価2690円÷100円(一株益)=26.9倍
となる。
ゆえに、今の<適正PER>は26.9倍となる。

計算式は、毎年積立を行って想定利回りで複利運用したときの計算に使う<年金終価係数>を使って計算する。

一株益:100円。成長率:15%。10年で回収。このときの適正株価は2690円

将来の金額 = <毎年の積立額> × <年金終価係数>
<毎年の積立額>は、一株益:100円と同じことなので、

(100×(1+0.15)^10-1)÷(0.15)=2690
※1年目はまだ利回りと複利の利益がないため、年数は10-1年となる。

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