トウシル:これから始まる7-9月決算は好調と予想。9月日銀短観DI改善。日本株に追い風

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2023/10/3

これから始まる7-9月決算は好調と予想。9月日銀短観DI改善。日本株に追い風

大企業・製造業の業種別DI

出所:2023年9月日銀短観DIより作成

 業務用機械・鉄鋼・食料品が好調です。国内で設備投資が回復していること、原材料高に対応して価格転嫁・値上げが進んでいることが分かります。実際、今回の短観で示された大企業の設備投資計画は、製造業前年比+20.0%、非製造業+10.1%と好調です。

大企業・非製造業の業種別DI

出所:2023年9月日銀短観DIより作成

日本の景況が米国不振でも好調な理由

「米国がくしゃみをすると、日本は風邪をひく」と言われたこともあるくらい、日本の景気は米国の影響を色濃く受けてきました。今年、米国が不振なのに日本が好調というのは、極めて珍しいことです。日本独自の好調要因が重なっているからです。

 以下、四つの要因が日本好調の背景にあります。

【1】リオープン(経済再開)

 日本は、欧米に遅れて今、やっとリオープンによる消費回復が起こり始めています。

【2】インフレ復活→名目GDPの伸び加速

 日本のコアコア・インフレ率(生鮮食品とエネルギーを除いたCPI(消費者物価指数)の前年比上昇率)が4%台まで上昇しています。インフレが復活、国内で値上げが通り始めています。名目GDP(国内総生産)の伸びが加速し、企業業績・株価を押し上げる効果が期待されます。

【3】資源高一服

 ロシアによるウクライナ侵攻後に急騰した原油先物は、いったん大きく下がりました。足元、原油先物は反発してきていますが、それでもウクライナへの侵攻直後と比べると、エネルギー価格上昇によるコスト高は一服しています。

【4】円安効果で設備投資が活性化

 世界の半導体大手が一斉に日本で工場をつくることを表明しています。円安効果もあり、国内で設備投資が盛り上がってくる見込みです。

これから始まる7-9月決算発表に期待

 9月の日銀短観DIが良好であったことから、これから発表が始まる2023年7-9月期決算も良好と考えられます。

 9月の日銀短観の大企業DIは、これから始まる9月決算の先行指標として注目しています。製造業・非製造業DIとも改善しました。7-9月決算発表もおおむねその通りとなるでしょう。 大企業の経営陣が、9月時点の現状と先行きの景況感を回答したのが、大企業DIで、7-9月の企業業績を先取りする傾向があります。

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